中古マンションは意外によく転がります。
昔、不動産屋が土地をころがして儲けるという話を聞いたことがありますが、土地をどうやって転がすのか、今のこの不景気の時期にそんなことはありえないと思っていましたが、現在では土地ではなく、中古マンションが転がるのです。

実際、私もたまに中古マンションを転がすことがあります。

では、どうやって中古マンションを転がすのかをここでそのノウハウをお教えします。

ある例で説明しましょう。

先日、あるお客様が来店されました。中古マンションの売却相談です。
そのお客様は、実際中古マンションを売ろうとしている人の友達だそうです。かなり年配のご老人でした。実際に中古マンションを売ろうとしている人をS様とします。S様はすでに別の不動産業者でも相談しており、中古マンション査定もしてもらったとのこと。その査定額は900万円でした。

そのS様がなぜ中古マンションを売却をするのかを聞くと、老人の一人住まいで、だんだんと認知も始まりそうなので、老人の施設に入るらしいのです。

お友達は、S様の中古マンションがかなり散らかっており、果たして売れるのかどうか不安に思っていたらしいのです。

私はそこでぴんと来ました。
(900万円は無理だけど、800万円位ならば、買い取ってくれる業者を見つけられそうだ。)



私はそのお友達に提案をしました。
「中古マンションを業者に買い取ってもらうというのはどうでしょうか。業者の買取ならば、中古マンションの設備などに不具合があっても、責任を負う必要はないし、中古マンションの部屋の中がいたんでいても、改装前提ですから、全然問題ないですよ。ただし、一般のお客様に買っていただくよりは少し安くなりますが・・・」

するとお友達は、
「そうそう、そういうほうがいいんですよ。あんなに散らかってたら売れないと思いますから」
と、業者の中古マンション買取に積極的でした。

そこで、お友達からS様に私が自宅中古マンションまで伺うことの了解を取ってもらって、お部屋を見に行くことにしたのです。
ついでに、中古マンションの買取業者にも来てもらって、一緒に見てもらうことにしました。

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そして出てきた中古マンション買取業者の金額が、770万円でした。

いろんなやり取りはありましたが、結果的にはS様はその価格でも十分だと思っていたようです。でもお友達は、顔が立つようにもう少しでも高くしてほしいと、申し出てきましたので、何とか中古マンション買取業者にお願いして、もう10万円上げてもらいました。結果は780万円。

買い取り業者は、中古マンションを780万円で購入し、全面改装をして1280万円で売り出します。
最悪でも1100万円くらいで売れれば、元は取れるのです。

計算の仕方は
仕入値 780万円
改装費 230万円
諸経費 100万円(仲介手数料、登記費用、不動産取得税など)
で合計1110万円
仮に、1200万円で売れれば90万円の利益。(かなり薄利ですが)

ということなのです。
で、実は一番儲かるのは仲介業者なんですね。

中古マンション780万円の仲介手数料が、売り買い両方からもらえるので、合計58.8万円(税抜き)
1200万円でその中古マンションを売ったとしての仲介手数料が売り買い両方からもらえれば、84万円(税抜き)
仲介手数料の合計は、142.8万円!

これを業者さんからはいやみを込めて「往復ビンタ」といわれます。

最近では、古い中古マンションをこのようにして全面改装して再度販売する不動産業者が増えてきており、一般消費者が中古マンションを購入する金額に程近い金額でも買ってくれるケースがあるのです。
売却相談があれば、ひとまず中古マンションの買い取り金額を複数の業者に当たってみて、一番高い金額をお客様にぶつけてみてもいいですね。

「業者の買取ならば、○○万円です。この場合、瑕疵担保は免責。建物が傷んでいても気にしません。あとくされなしなので、ご検討いただいてみては?!」

意外に応じてくれる中古マンションの売主さんもいるものですよ。


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