前回の越境の覚書 その1の続きですが、

まずは原則として、

隣地の塀がこちらの敷地に傾いてきているのですから、当然隣地の所有者にきちんと復旧してもらうのが当然の考え方です。

しかし、なかなかうまくいかないのが境界の問題です。

例えば、

「お宅の塀がこちらの敷地に傾いてきているから、きちんと元に戻してもらえますか?」

とお隣に言ったとしましょう。

すぐにきちんと復旧してくれるでしょうか。

まあ、ほとんどの場合ごねてくるでしょう。
塀の積みなおしは費用と手間がかかります。とてもめんどくさいものです。

今回の場合は、敷地の所有者は第三者に売却し、その購入した第三者は、建物を取り壊して建物を新築します。

その状況を知った隣地はきっとこういってくることでしょう。

「お宅が建て直すんだったら、そのときに一緒にやってよ」
「今までは、何事もなく住んでいるじゃないの」

とまあ、こんな返事が来る可能性が高いです。
隣地の所有者が紳士的であれば、

「ごめんなさい。気づいてなかった。きちんとやり直しますから」

と言ってくれるかもしれませんが、まあそんな人は、ほとんどいないと思って話をしに行くほうが、よいでしょう。

また、話がそれましたが、この場合、売買契約の条項に加えて、どのような覚書を交わせばよいのでしょうか。


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まず、責任の所在と、誰がいつ費用の負担をするのかを明確にする必要があります。

今回の越境に関して、関係するのは
1 売主
2 隣地所有者
3 買主
ですが、越境に関しての現在の当事者は、売主と隣地所有者ですから、
売主と隣地所有者で解決するのがスジです。

ただし、土地の買主が
「自分が解決する」
というのならば、
買主が土地の引渡しを受けてから、隣地と話をすればよいですが、まあそんな奇特な買主はほとんどいないでしょう。

つまり、ポイントとしては、買主にトラブルの問題が引き継がれないように、売主と隣地で解決するように、覚書を結ぶのです。

そして、隣地所有者に越境の話をしてみないと、責任と費用の負担の所在が確定できませんから、売買契約の時点で
「責任を持つ」
と断言できるのは、
「2売主」
だけになります。

つまり 責任の順番としては
1番目 売主
2番目 隣地所有者
3番目 買主
になるのですが、

1番目の売主が「責任を取る」ならば、覚書にはそのように記載しましょう。

例.隣地(地番○番○)より、塀が越境してきている件については、引渡し時までに売主の責任と負担において、解決するものとする。

という感じですね。 ついでに加えるならば
「前項の越境について、引渡し時までに隣地所有者と解決ができない場合は、買主は白紙解約できるものとする。」
という、白紙解約条項も入れておいたほうがいいかもですね。

では、売主はどうすれば解決できるのか・・・。

最悪のケースを想定しましょう。

最悪のケースは売主が費用負担をして、隣地の望む形の塀を構築することですね。

要するに、最悪どうするのか?
この場合は最悪売主が費用の負担をしてでも解決をしますという覚悟があれば、覚書を交わして、売買契約を締結することができるのです。

私は、実際その覚書を交わして、無事売買契約を締結いたしました。


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